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フランス刺繍はとても疲れるけれど、クロスステッチは数が数えられれば誰にでもできる手軽な刺繍だ。ブックカバーを作っていて煮詰まった時にふとソファーの上に転がっていたクッションのカバーに逃げてみた。
ニトリで買った399円のクッションカバーに刺繍。布を買って来て裁断して縫って・・・と考えるとこの方が安い気がする。ニトリ、やるなあ。
図案はホップの模様。祖母の遺産の本が大活躍だ。
やってみたら案外うまく行ったのでもう一つ。
何だか、図案通りに刺していって、調整も大していらないことが判明、思わず追加のクッションカバーを買いに行ってしまった。
でもコジロウはこのクッションはお気に召さないらしい。厚みがありすぎて、上手く上に乗れないのだ。
調子に乗って、追加のカバーも購入。でもクッションカバーばっかり増えてもねえ。ソファーに乗り切らないのに、どうすんだ。
祖母の見舞いに行くようになってしばらく経った。祖母の調子によって刺繍の話題を出してよい時と悪い時があるので、なかなか教えを請いにくい状況だが、考えようによっては古の職人に弟子入りしたようでそれもまた良し。とする。
ともあれ、サボっていたわけではなく、着々と練習は進む。
これは母用ブックカバー。師匠仰せの
「基本且つ究極のステッチはアウトラインとサテン」
と言う指導の下、ひたすらその二つだけを練習するための図案。図案は中国で60円で買った蝶々図案集より。
意気揚々と図案を切れに写して持って行くと
「サテンステッチは豪華になりすぎるのでロングアンドショートステッチになさい」
しょぼん。しかも
「一本取りでやった方がきれいよ」
だそうで。
L&Sステッチとかサテンステッチは面を埋めるためのステッチで、一本取りってことは倍時間がかかる。でもがんばる・・・短気な私は何度もムキーッとなる度に、コジロウをなでて自分をなだめた。
これはN君に頼まれたブックカバー。性懲りもなく鳥獣戯画より。
初め普通に2本取りでやったのだが、どうしても線が気に入らなくてムキーッとほどいてコジロウコジロウと呪文を唱えつつコジロウモフによる儀式を行い、気を取り直してから一本取りで再開。元の図案のどの線を生かすか、それとも省くのかが思案のしどころ。本当はもっと細かい線がたくさんあるのだ。
それに何と言っても躍動感と線の動きが今後の課題。一回絵を模写してから入ると筆の感じとか流れがつかめてよいのかも。でも物凄く疲れるのでしばらくやりたくない。
さて、この絵の中には実は猿が3匹。N君わかるかねぇ?
本をカバーするとこんな感じ。
そろそろブックカバー以外の何かに着手するべきだと思うのだが、縫い物がね・・・直線縫いでできて、飾り物じゃない、私が使えるものってなんだろう。
ところで、コジロウモフとは、コジロウの腹毛(もしくは背中、頬でも可)に顔をうずめてフガフガと深呼吸をすること。最近コジロウの両前足におできができてしまったのだが、過剰モフによるストレスでないことを祈る。
タイトルを見て、「もなちゅう、よかったね」と思ってくださった方がいらしたらスマヌ・・・。
友達がリクエストしてくれたので赤ちゃんによだれかけを作った。
タオル地に刺繍したかったのだけど、難しくてできなかったので、白い木綿の布。裏地はタオル。やっぱり図案は良いのが浮かばなくて、また人様の図案を使った。これに関しては著作権が切れてるからいいよね。
本当は左側に喝采を送るかえる君たちがいるんだけど、赤ちゃんのものは小さくて入りきらなかった。ウサギのひげとかぽしょぽしょしている毛は1本取りにしたところが工夫。
でもタオル地刺繍があきらめきれず・・・クロスステッチで目を数えることにした。
お店のロゴが入っているようなタオル(バイト先から失敬)のけばけばしていないところを使用。裏地は去年?の伊衛門茶のおまけの布。布がついているので注意して買っていたが、コンプリートならず。これは梅の模様。バイアステープを自分で作れる事を学んだ。
それにしても、こういう風に使えるなら、もっとお茶飲んどきゃよかったよ。
ブタは中国では富の象徴だし、コロンとしていて可愛いから好きだ。決して、図案を考えている時に豚肉の梅肉ソースを食べたかったからとかそういうことではない。
刺繍を始めた。
理由は二つで、一つはR画伯の作品を何か形にしてみたかったからだが、もう一つの理由は二人の祖母だ。
一人は一昨年亡くなったのだが、クロスステッチが趣味で膨大な余り布と糸、北欧刺繍の本を引き継いだ。材料が与えられたら作らなければ、と使命感に燃え、且つ暇つぶしに最適なので少し試してみながら思い出した。もう一人の祖母(存命)はたしか手芸の先生をしていたことが無かったか?子供の頃、やたらと凝った刺繍作品の数々を着せられ、持たされして
「たまには無地が着たい」と思ったものではないか。
実はその祖母は病院併設の老人ホームで暮らしている。私は仕事にかまけて余り出かけていなかったが、仕事もやめて時間も出来たことだし、今月から週に一度着物で会いに行き、ついでに刺繍を教えてもらいたいと頼んでみることにした。自分の若い頃の着物を見たり昔取った杵柄の刺繍を教えることで全盛期の自分の記憶を思い出したら、もっと元気になってくれるかなあ、という淡い希望だ。祖母は頭は割りとはっきりしているがもう目は悪い。当然自分では刺せないので、ちょっとしたコツを教えてもらうつもりでいた。
初回訪問時、教えることを快諾してもらって一安心、でも何(図案、刺し方)を刺して良いかわからない、と話すと祖母は頭を指差しながら
「結局、ここに入っているものしかできない。でもあなたの頭の中に何かあるから探して御覧。何でも良く見る事。そして素敵なデザインは覚えて後で書いておきなさい。刺し方は一番基本の本を1冊だけ買って後は自分で練習しなさい。私もそうやった。」
と来た。職人キターーーーー。
図案に関しては、一生懸命頭の中をひっくり返し中。当たり前なのだがまだ上手いのが見つからない。でも始めないと始まらない。しょうがない、まあ適当に本を見ながらサンプルに色々な刺し方をやってみようと作ったのがこれ。10円玉で丸を描いて模様は思いつきで。
くそー。難しいぞ。これから上手くなってやる。
2度目の訪問時は上のサンプルの続きを祖母のそばで話をしながら刺すことにした。祖母のように上手くできない、とこぼすと
「私が何年やったと思うの?40年以上よ。同じにできるなんて思いなさんな」
と鼻で笑われたorz。
赤い実のなった木の模様を刺して、りんごだ、と見せたところ、ぽーんと放り返されて
「何これ。赤いだけじゃわからない。りんごにしたければ、私ならぴょっと一針入れるね。」
ヘタというか、枝につながってるところと言うか、そこを刺せ、と言うわけだ。なるほど。刺してみると、うおー。明らかにりんごになった。たった一針なのになあ。
さらにバックの空が上手くできる刺しかたは?と聞くと
「あなたが空、って言えばそれは空。好きにやって御覧。モノは見ようで何にでも見える」
だそうだ。
ばあちゃんその職人口調、超カコイイ!!
最近小さくなっていた祖母が大きく見えた。ので、わたしはがんばるぞ。
古い浴衣を解いて裏地をつけて、ブックカバーにした。
話によると祖母は作品を和光に納品していたとのこと、身内ながらすごすぎる。このカバーは今週見せるのだが、何といってくれるだろう。何より、次のデザインをどうしよう。明日までに思いつかないといけない。くくく。